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バースデイカードをつくる パート2(特殊なカリグラフィーペン)

Vol.10 2005年5月
ここでご紹介するカリグラフィーペンは装飾目的の特殊なペンです。
練習用には適しません。
カリグラフィー関連を大きく扱っている画材、文具店でないとなかなかお目にかかれませんが、
作品の幅を広げるためにはこのようなペンがあるんだ、と知っておく必要はあるかと思います。
私自身の手持ちのペンを例にしていますが、それほど多くは所有していません。

カリグラフィーをやりたいからと、最初から何本も揃える必要はないと言えます。
だいぶペンの扱いに慣れてきて、もう一工夫欲しいなあ、という時、ぜひ参考にして下さい。
上2本はコイトペンと呼ばれるペンです。
商品番号は上が”N−9”、下が”N−10”で、どちらも14oです。
(このシリーズは製造中止となったそうです。2014年8月)

中央3本はオートマティックペンと呼ばれ、コイトペンよりは比較的
よくお店で見かけます。

上から商品番号”6”(19o)、”4”(8o)、”9”(6o)です。

一番下の1本はウイリアム・ミッチェル社のスクロールペン。
商品番号”10”(2.5o)。
スピードボールのようにペン先のみで販売しています。
ホルダーはいつもお使いになっているもので構いません。


各製品、他のサイズ・形もあります。
上でご紹介したペンでどんなことができるか、幾つか書いてみました。

楽しく使うコツがいくつかあります。

1.ペン先に挿入するインク(もちろん絵具も)の量に慣れる。
 メーカーによってインクを溜める部分の形状が異なります。

 幅が太いペンはパレットに出したインクにどっぷりつけますが、
 複数線を引くペンはインク多すぎてもラインが重なります。


2.模様でも文字でも書き始める前にペン先の角度を決める。
  角度を意識しないで書いてしまうとペンの特性が出し切れません。

  書体練習のように30度、45度あたりに構えてください。


3.ペン先の全面をきちんと紙にあてる。
 今回ご紹介したようなペンは紙に均等に力を加えないと、
 実際の幅より細くなったり、複数線の場合、全部揃わなかったりします。

 新しいペンはインクがのりにくいので、なおさらです。
 (アルコールで軽く拭き取るか、軽く火にあぶってください)。


4.ペンを動かし始めたら、腕に力を入れない。
 特殊な形状であるが故、力みや迷いがそのままはっきりラインに出ます。
 幅のあるペンほど目立ちます。
 動かし始めたら、そのまま一気に書いてしまいましょう。
 掠れてもよどみない動きの上ではおかしくないことが多いです。
簡単に応用できるペンの使い方でバースデイカードを3枚つくってみました。

左の”H””B”は上記のオートマティックペン”9”を使っています。
2本のラインを色分けしているのが特徴です。

注意点ですが使っている内に2色がペンの中で混じり合う事があるので、
必ず発色をまめに確認して下さい。
混じっていたら、水で洗い流して下さい。

下2枚含めてリトル・ギャラリーでもご覧になれます。
リボン部分 コイトペン”N−10” 五線譜 コイトペン”N−9”