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簡単切り文字とチェキトートバッグ

Vol.101 2016年10月
テクニック集 ハロウィン2016

インテリアの小道具にアルファベットを飾るのが人気です。

100均ショップでもオーナメントやシールなどアルファベットを良く見かけるようになりました。

でもカリグラフィーをやっていると市販のものを使うのに抵抗があるというか
自分でどうにかならないか考えたりしちゃいます。

実際に作ってみる足掛かりとしてハサミで紙を切るだけの切り文字、
文字の飾り方のヒントとしてトートバッグを使用。

その他の作品についても軽く作り方に触れます(^_^)

リトル・ギャラリーもご覧ください!
チェキトートバッグ1
生徒さんからトートバッグ頂きました。
富士フィルムのチェキが15枚ポケットに入ります。

通常は写真を入れることになりますが、ここは手作りで一工夫しました。
チェキトートバッグ2
チェキ(5.5×8.5cm)15枚を並べた状態を方眼紙に線を引いて作ります。

チェキトートバッグ3
チェキと同サイズの台紙をカットしておきます。

チェキトートバッグ4
15枚並べた面積一杯を使ってジャック・オー・ランタンを描きます。

当初は一枚ずつ別のデザインにしようと考えましたが
ここはドーンとカボチャ1個。
この後の作業を考えてシンプルなデザインがお勧めです。

チェキトートバッグ5
後はチェキ一枚分の型紙をハサミで切り、カボチャ用の紙に型紙を重ねて切り取ります。

この作業はカボチャの実とヘタ用の紙2枚だけに繰り返すことになります。
チェキトートバッグ6

チェキトートバッグ7
切り文字作成です。”H,A,P,Y,L,O,E,N,W”です。
自分で一文字ずつデザインすることから始めましょう。

簡単な作業ですが幾つかコツがありまs。

1.文字サイズを決める
今回はトートバックのポケットを使う、とサイズが明確なので
すっぽり入る4.5×4.5センチです。
”W”は横になっても良いと思ったので例外。

ポケットなどに入れず、例えばモビールにする、ステンシルの型紙にする、
という場合でも必ず縦横のサイズは決めてください。
幅広の”M””W”は用途に合わせて多少狭めたり出来ます。


2.線の太さを決める
今回は1センチと決めています。
アルファベットによっては微妙に太さを変えますが、まずは1つに決めます。


3.各アルファベットのプロポーションに気をつける
  サンセリフとかヘルベチカなどのスッキリ系大文字を今回は作りました。
  ローマ大文字体(ローマンキャピタル)を勉強した方は必ずその知識を活かしてください。

 勉強したことがない方はネット等で近いフォントの一覧を良く観察してください。
 観察のポイントは
 ・”H”,”N”などの文字幅
 ・”P”,”L”,”E”などの文字幅
 ・”A”,”Y”,”W”など斜めの線の角度
 ・”H”,”A”,”E”などの横線の位置
 ・”O”の形(正円か楕円かなど)
 ・”P”や”Y”などの頭の大きさ
 ・(出来れば線の太さの微妙な違い。”N”縦線など)

沢山あるようですが、自然と気をつけるようになるのが理想です。


モデルになる書体の観察が終わったら、鉛筆でデザインです。
どこかからコピーすれば良いだろう、となるとここでの趣旨が台無しになります。
文字を自分でデザインしてみることはカリグラフィーの上達にも活かせます。

自分で文字の決め事を考えて作って見ること、それが目標です。

その後はカボチャ同様型紙を切り、本番用の紙に充てて切り取る。
今回は取っつきやすいようにハサミで殆ど切っています。

ポケットに入れて完成させた状態はリトル・ギャラリーをどうぞ!
チェキトートバッグ8
【ガラス彫刻風カード】
カリグラフィー ハロウィンカード猫1
まず文字部分を書いちゃいます。
タイトルはHunt101、文章は104です。

紙はクロマティコ。厚手の色付きトレーシングペーパーです。
【右寄せレイアウト】
カリグラフィー ハロウィンカード猫2
文字の周囲の模様を少しずつ立体的にします。

まずガイドラインを消しゴムで軽く消します。軽くたたくようにです。
全部を消す必要はないです。
この紙のように色が濃くて肌理が滑らかだと
こすったところが後になる可能性があります。
写真はライトに当てたので鉛筆の線が光っていますが肉眼では目立ちません。

模様は細いスタイラスの先などで薄く下書きをし、
この線でOK,と思ったらもう少し強く押します。

そうすると紙をひっくり返しても線が押すべき線がハッキリ見えます。

写真は猫の部分は裏から少し押した状態、
バラは表から下書きの線を少し強く押した状態です。

カリグラフィー ハロウィンカード猫3
先の写真をひっくり返した状態です。
猫の部分とバランの茎と葉は裏から押した状態です。

猫の体は先が大き目のスタイラスなど使いながらしっかり押し出し、
茎と葉は細いスタイラスで強めになぞった状態です。

まだ猫の頭の周りと花はなぞっていません。

表裏の違いがお分かりかと思います。
この作業を繰り返します。

スタイラスはエンボッシングやギルディングでも使えるので
出来れば数種類持っていると便利です。

全体はリトル・ギャラリーをご覧ください!

【マスキングインク復習】
カリグラフィー 秋カード1
今年はマスキングインクを念入りに取り上げました。
99.マスキングインク・ペンタイプを使う2
98.マスキングインク・ペンタイプを使う

カリグラフィーの作品づくりに相性がいいからです。

マスキングインクをインク代わりにペン先に挿し、文字を書きます。
ミツワは少し色が付いているのである程度は書きながら見えるかと思います。

カリグラフィー 秋カード2
落ち葉の型紙を作ります。
コピー用紙よりは少し厚手の紙を使ってください。

ギザギザが多いので紙が厚すぎると切り抜くのが大変です。

カリグラフィー 秋カード3
マスキングインクが乾いたら上からコットンで叩きながら背景を塗ります。
マスキングインク上は水をはじくので字が浮かび上がってきます。

コットンを使ったのは筆のべた塗りでは表現できないホワホワ感を出したかったからです。

カリグラフィー 秋カード4
背景が乾いたら好きな位置に落ち葉を塗っていきます。
落ち葉類は黄色系が多いのでハッキリ塗りたく、
筆を使っています。
ひと葉ずつ乾かしながら彩色していきます。
色が葉同志で混じり合いません。

この作品は型紙を使ってもう一工夫しているので
リトル・ギャラリーで確認してください!