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コーヒーでエイジング加工+シンプルケルトノット

Vol.108 2017年12月
カリグラフィーテクニック 2017年12月

今年はクリスマスと年賀状同時にご紹介!
2017年11月に行った作品展で多かった質問に答えるネタを含んでます(^_^)

リトル・ギャラリーもどうぞ(^_^)
【ハリネズミ】
カリグラフィーテクニック モデリングペースト
本題のエイジング加工とはそれますが、カード制作の1つのヒント。
フレキシブルモデリングペーストにアクリルのゴールドを混ぜ、
紙の上にペーストを置き、つまようじでツンツンしてます。
ハリネズミちゃんを作りました(^_^)
乾いてからさらにゴールドを塗りました。

仕上がりはリトル・ギャラリーをどうぞ(^_^)
【エイジング加工】
カリグラフィーテクニック エイジング加工1
ここから本題。まずはエイジング加工初級者編。

お湯で溶いたインスタントコーヒーと大き目の筆(平筆でなくても良いです)を用意。
紙はライフ社無地ノートのカットしを使いました。

レイド(紙をすく際に使う道具の跡)入りのクリーム色の紙はそれだけでも懐かしい感じです。
丈夫で滲みにくいので今回のネタにピッタリ!

カリグラフィーテクニック エイジング加工2
まずバァーッと紙にインスタントコーヒーを塗ります。
一方向に塗ったら違う方向からも、と何度も塗ります。

紙の周りや折り目があればその辺りも
何回かに分けてコーヒーを塗り重ねてください。

カリグラフィーテクニック エイジング加工3
紙を良く乾かし、鉛筆で薄くガイドラインを引きます。
その後焦げ茶の透明水彩で字を書きます。


カリグラフィーテクニック エイジング加工4
ゲルペンでリースを書きます。乾くと耐水性になるので便利。
今回はサクラクレパスBallsign

カリグラフィーテクニック エイジング加工5
コーヒーでリースに濃淡をつけました。

この手順でも独特の雰囲気は出ますが、古ぼけた紙の上に字を書いた、
という仕上がりではあります。

文字ごと経年変化した感じを出したい場合は下記がお勧めです。

【コーヒーでエイジング加工ちょっと上級編】
カリグラフィーテクニック エイジング加工6
今度は紙を染める前に字を書いちゃいます。
耐水性の絵具かインクが必要になります。

写真はアクリル絵具を使っています。

イェイツ詩集(岩波文庫)から"The Lake Isle of Innisfree"
を筆記体でサッと書いています。
ペン先はゼブラのGペンです。
カリグラフィーテクニック エイジング加工7
乾いたら折り目をつけます。
左側のラベルの束を実際に包んで紙を折ります。
カリグラフィーテクニック エイジング加工8
折り目をつけて正面になる面に”Season's Greetings”。
スピードボールC-3で書きました。
アクリルは細い線が出にくい時があるので
ペンに少しずつ入れて筆圧が強過ぎないようにしてください。

※アクリル系はカリグラフィーを始めたばかりの方にはお勧めできない画材です。

カリグラフィーテクニック エイジング加工9
文字部分が乾いたら前述と同じ通り数回に分けて塗る方向を変えながら
コーヒーで色をつけていきます。

カリグラフィーテクニック エイジング加工10
経年変化の表現には折り目や淵のヨレヨレっぷりが肝心です。
筆の先を少し強めに押し付けたりして紙にダメージを与えます。

今回使った紙だと写真のような繊維のカスが出てきます。
それでも破けないので大丈夫。
カリグラフィーテクニック エイジング加工11
この古ぼけた感じ!
暫くは乾いた後もコーヒーの香りがするし
(ネスカフェゴールドブレンド)コーヒー好きには特お勧めの加工です(^_^)
【シンプルケルトノット】


シンプルなケルトノット(Celtic Knots)。ケルトの装飾は本格的に取り込むと決まり事が多いですが
まずは難しく考えずシンプルな模様にチャレンジして頂きたく簡単に手順をご説明します。

文字を挟んで上下だけに置く枠飾りです。
1.枠の横幅を探る
今回”happy new year”を書いてみて枠は12cmと決めました。


2.ノット(紐)のよじれ1つ分のサイズを決めます。
今回分かりやすく10mmにしました。
よじれの上下天地にドットを打ちます。
鉛筆はHBがお勧め。


3.ドットに合わせて10mmの正円を書きます。
コンパスでは難しいのでテンプレートがお勧め。
写真のテンプレートは以前ダイソーで買いました(^_^)


4.紐の太さを決めます。
今回は10mmの正円の中に5mmの正円を
テンプレートで書いています。
この段階で正確なほど均等の紐の太さを描けることになります。
ただ今回は神経質になり過ぎず書いてみて下さい。

両端の魚のおひれのような結び目も外形を
コンパスやテンプレートを使って
なるべくキレイなカーブを書きます。
2.で打ったドットの位置から角がずれないことが大切です。


5.紐のよじれを書きます。
 文章にするとかえって分かり辛いですが
10mmの正円は隣りの5mmの正円へ向かって線を繋げる、
5mmの正円は隣りの10mmの正円へ向かって線を繋げる、
を繰り返します。
両端のおひれも形を作ります。
ここではおひれ部分の紐の太さはそろっていなくても良いです。
4.で書いたおひれの外形が変わらないように気をつけます。


6.トレーシングペーパーでねじれ部分をトレースします。
ねじれの方向が一定になるように
5で書いた線をなぞります。

下の写真は両端のおひれの内側以外なぞった状態です。
ここからおひれの内側を紐の太さに合わせて膨らませます。
カリグラフィーテクニック シンプルケルトノット2

7.もう一度トレースします。
10mmと5mmの円に少しでもずれがあれば紐の太さも均一ではなくなります。
このトレースの段階で整えていきます。
さらに周囲に枠線を定規で2重に引きます。

※丁寧に仕上げたい場合はトレースを繰り返し、
さらに形を整えます。

カリグラフィーテクニック シンプルケルトノット3
先に本番の紙に書いておいた文字部分の上に枠飾りをトレース。

トレーシングペーパーの裏に鉛筆の芯をこすりつけ、表面から線をなぞります。


カリグラフィーテクニック シンプルケルトノット4
トレース出来たらお好きなペンでなぞります。
と言ってもペン先が太すぎるとラインからはみ出し、細すぎると塗るのが大変。
初めての方はボールペンで言うと0.5mmくらいを使ってみて下さい。

完成はリトル・ギャラリーへ!