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マスキングリキッド & スパッタリング

Vol.39 2006年7月 update:2018年7月



過去ご説明してきたマスキング・リキッド(No.2No.15)やスパッタリング(No.19
を組み合わせて作品を作ってみましょう。

今までとは少し違う道具を使っています。また何工程かに分けて進めていますが
段取りをキチンと考えながら進めば決して難しくはありません。

リトル・ギャラリーも見て下さい。




まず一行書きます。

今回はクサカベ製のマスキングリキッドを使っています。
難点は白くて、すぐに乾いて透明になるので見辛いこと。

濃い色の紙に書いてもあっという間に白い色は消えますので
ある程度感で書く必要があります。

長所は濃さが丁度いい塩梅であること。
水で薄めたりする必要がありません。

見えやすいようにあえて着色しているマスキング・
リキッドもありますす。


次に面相筆を使って草をイメージした模様を
マスキング・リキッドで書きます。

下から上めがけて力を入れてから抜く、という動作で
勢い良く描いて下さい。

(リキッド使用部分が少しでも見えやすいように
画像加工時にコントラストを強めています)

注:使用したペン先、筆はマメに良く水で洗いましょう。
 特に筆はリキッドが乾くと剥離しなくなるので要注意!!!


今度はスパッタリングです。

画材店では専用の網とタワシのような硬い毛の筆が
売っていますが、取り合えず身近なものでトライしてみたい
と言う方にお薦めが灰汁取り用のお玉と普通の歯ブラシです。

1.絵具を水で多めに溶く。
2.お玉全体に筆でたっぷりと絵具を載せる。
3.歯ブラシで網部分をこする。

この3つの動作を繰り返します。


2.は量が多すぎると網を通過してボトッと垂れてしまうので、
作品の上ではやらないで下さい。

3.はお玉を作品から離すほど広範囲に細かく絵具が散ります。
ただし、トンでもないところまで絵具が飛ぶ可能性が
高まりますので周囲やご自分自身が汚れても大丈夫な
ように準備して下さい。

部屋の空気の流れによっても落ちる位置が変わりますので
どこにどのくらい絵具が落ちるか観察しながら作業して下さい。


上記は濃いグリーン(ガッシュ)一色でスパッタリングしています。

絵具が乾いたら、草の部分のみを専用ラバーで剥がします。

指でも剥がせますがこのラバーが楽です。


スパッタリングで使用した濃いグリーンと、
これに黄色を加えた黄緑2色を用意します。

まず黄緑でスパッタリングします。
色を変える時は網を良く洗って下さい。

面相筆を使って2色の草を書き加えます。

下から上へ力を抜きながら描きます。
下の方に絵具が溜まりますので
乾かないうちに歯ブラシで散らしてあげます。

まだ剥がしていなかった一行をラバーで剥がします。
今、この部分が紙の地の色となります。

剥がしてからもう一行書き加えます。
出来れば鉛筆でそっとガイドラインを書いて下さい。
Xハイトの高さがほぼ均一に線が引ければ
フリーハンドで構いません。

几帳面な方は雲形定規等々使って下さい。

この書き足した一行は前述の2色のグリーンを使って
グラデーションを出しています。

今度は空部分のスパッタリングです。
水色を多めに作っておいて、作品は逆さに置きます。

手前部分中心に絵具が散るように意識しながら
スパッタリングです。

型紙を使って空に円形をつくります。
型紙ですが、普通のケント紙ぐらいの厚紙があれば
十分です(円形の部分が型紙)。

ここでは空の上の方にしか水色をかけたくなかった
ので殆どをチラシで覆い隠してからスパッタリングしました。


最後に貼るための”summer”です。

イラストボードの切れ端をつかいましたので、
この部分は厚みがあります。

”summer”と白で文字間を空けて
書いてしまいます。

乾いてからカッターで切り、バラバラにしてから
白でスパッタリングです。

この時は専用網を使ってみました。
(使い分けた深い意味はないです。。。。)

後は飾り付けて出来上がり!です。

<番外編>


”Summer sunset”の頭の”S”のみマスキング・リキッドで
書きました。
この”S”は平筆で書いています。

残りはC−2で書きました。


平筆でバーッと色つけています。
文字部分の上も力を入れずに筆を通過させれば
擦れてしまう事はないです。

”S”が浮き出ていますが、絵具を弾くからでまだ剥がしていない
状況です。
また、左右はマスキングテープを貼り、
周りに余白が出来るようにしています。

写真で注目していただきたいのは上真ん中にある半円。
太陽は紙の黄色味をそのまま活かしたかったので
丸く切った型紙を置き、水平線がはっきり出るように
チラシを置いています。

この部分が乾いたら、海の部分に彩色します(下の写真)。

出来上がりはリトル・ギャラリーをご覧下さい!