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カリグラフィー・テクニック

<2010年10月> ネタを活かすヒント





「どうして色々アイディアが浮かぶのか?」はたまた
「また変なの作りましたね」など言われますが、
急な思いつきで全ての物が作れる訳ではありません。

「今日、少し時間があるからカードでも作るか」
という程度では教則本やネット上の、あるいはお教室での
サンプルカードを少し作り変える程度でその先に進みません。

日々のネタ集めが肝心です。
今回、2つのちょっとした作品を通してネタ→作品に
どう変わっていったか説明しております。


出来上がりはリトル・ギャラリーもご覧下さい。

この夏、小瓶の手作りビールを頂きました。
知り合いの方がご自分の結婚式用に作ったビールですが、
その酒造元の会社を知った時、ちょっと驚きました。

木内酒造(ネストビール)

もう、数年前ですが、あるデパートの茨城物産展のチラシが
新聞に入ってました。
この会社も出店していて、チラシに割と大きく宣伝されていました。
そのラベルを見て、
「こりゃ、ビールラベルにしちゃ垢ぬけとる!!」
と驚愕、トレードマークのフクロウはキュート、
現在に至るまでチラシの切り抜きを取っておいた程です。

御祝ものの記念として自分なりに取っておきたいし、
このフクロウのキャップが手に入った(写真右端)。

こりゃ、何か作らないと。

(ラベル部分は人物写真なのでマル秘にしてます<(_ _)>)

ビールを頂く前に、すでに手元にあったのが、

●”WINE RECORDER”
 と名付けられたワインラベル剥がし用のシール(写真左側)。
 一昔以上前に、父親がくれました。
 ワインの本もくれたので、飲んだくれているだけでなくソムリエ試験の
 勉強をして欲しかったようですが、
 ワインの勉強には一切関心なし。飲めればそれで良し。

 ということで、デザインの資料としてラベルを取っておきたい時に使う程度。
 (裏はテイスティング時のコメントが書けますよ)

●封筒用の紐シール(Stick & Tie)
 銀座伊東屋でゲット! 数か月前に購入。
 その時は使う予定がなかったのですが、普通買っちゃうでしょー(?)。
そしてフクロウの左下にある小さな物体。

●紙製ドングリ
カリグラフィーとは別にペーパークイリングを習われている生徒さんが目の前で作って下さいました。

「何かに使いたいな〜、でもカード作品じゃうまく貼れないしー」
と漠然と、立体的な作品には使えるかもと考えていました。

*−−−−
ここまでご紹介した細々とした事の積み重ねで
フクロウを何か透明な入れ物に閉じ込めて、森の中を表現したい、というイメージが出てきました。

●使う言葉
forest, tree, wood, leaves ...
抱いたイメージに関連する、この辺りの単語で秋やハロウィンっぽい諺はないか、と探しました。
しかも2,3個の単語でちょうど背景になりそうな言葉。

My 辞書の中から見つけたのが”Knock on wood”
意味は「祟られないように」、「うまくいくように」。間投詞に近いそうです。

復讐の女神Nemesisの祟りを避けるために木をこぶしの内側で叩くおまじないから来ている言葉だそうです。

今回のイメージに、ぴったんこではないですか。
"Knock wood", "Touch wood"でも同じだそうです。

●透明な入れ物
最初は、実は球体が頭に浮かびました。
しかし、丁度良いものがなかったので手持ちのビーズ用ケースを使いました。

写真は100円ショップで売られている状態のケースです。

●葉っぱ型のパンチ。
100円ショップで以前購入。やっと活用出来ました。
半端物の紙を保管しておくと、こういう時使えます。

●枝
家にあったドライフラワーを折りました。
おまじない用。

●クリップ
繋げてチェーン代わりに。
5,6年前に購入。
上記でご紹介した、”WINE RECORDER”のサイズに合わせた封筒です。

B4サイズでギリギリ作れますが、サンプルはフタを深くしたかったので、
A3サイズの紙です。

このシールって、ラベルを剥がしてから台紙に戻しても、
どこか隅がペタペタくっつくことがあるんです。使い方が悪いのか。

なので、互いがくっつかないよう、1枚の封筒につき、4枚の
”WINE RECORDER”を一枚ずつ、両脇のマチに挟めるように折り返しています。

上側の写真が分かりやすいかも。

勿論、カリグラフィー部分は、裁断する前に書いた方が良いです。

折り目を付けた後などは、紙が浮いて書き辛くなるので。


こんな感じで、何か1つのキッカケで自分の心に残っていたことや
身の回りの物を利用して作品が出来てしまう事って、良くあります。

ちなみに右下のラベルは昨年(2009年)のハロウィンネタです。
カラスワインです(ハブ酒のイメージから飛躍しました)。