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消しゴムハンコ彫り

Vol.83 2014年4月
あまり関心のない方にはカリグラフィーと関係ないじゃん、てなところですが、
私は繋がりが深いと考えております。

カリグラフィーは鉛筆や細いペン先で作者のサインを入れることが大半ですが、
書道作品のように落款を押すことがあります。

それと大切なことはハンコを掘る姿勢です。

原紙を移し取ったり、転写した図に忠実に彫る、これは集中力が必要です。
カリグラフィーはギルディングなど細かい作業や普段の書体練習のようにふわふわした気分では
出来ない作業が殆どです。カッターナイフも良く使います。

石や木ではなく、相手は消しゴムです。
どのような消しゴムであれ、彫る対象としては一番楽ですので
ぜひ色々掘ってみてご自分の集中力や目の状態、姿勢、刃物の扱いなど確認し、
カリグラフィーの取り組み方に反映して欲しいです。

彫り上がったハンコはリトル・ギャラリーをご覧下さい。

    
道具を揃えます。
写真の
左上:トレーシングペーパー
左下:カッターナイフ
左から2番目:ハンコの原画
左から3番目:消しゴムハンコの板(下は外袋。ダイソー)
右端:定規

この消しゴムハンコは厚みはあまりないのですが、
カッターを深く入れ過ぎない練習になります。
ちなみに裏面が黄色でどちらも彫ると白が出てきて
見易いタイプです。
消しゴムハンコ 材料
原画をトレーシングペーパーに写します。

HBくらいの鉛筆で濃い目にしっかりと写して下さい。

黒く塗りつぶしているところは同様に塗りつぶして下さい。

彫るところ、残すところを明白に分ける大切な作業です。

この原画ですが、いくつかチェックポイントがあります。
(3×3cmと書いてある枠はハンコそのものの外寸です)

・模様を囲む枠を残せるか
・茎を太い方から細い方へと残せるか
・丸く3つ実を残せるか
・葉っぱの流線型と尖りを表現出来るか
・葉脈がハッキリ出ているか
・原画左上に余白に1文字イニシャルを入れられるか


消しゴムハンコ 1

消しゴムを外寸サイズに合わせて切ります。
ここではその時の写真はないですが、
あまりカッターの刃を押しこまず、紙を切る時より
心持力を入れてちゃんと定規を当てて切れ目を入れて下さい。
後は切れ目に合わせて左右に消しゴムを開けばきれいに裂けます。


トレーシングペーパーをひっくり返して消しゴムに乗せて下さい。
全面を指の腹で軽くこすって転写します。
消しゴムハンコ 2
まずカッターと消しゴムに慣れるために枠の外側を掘るところから
チャレンジします。

枠外側にカッターで切れ目を入れ、今度はカッターを水平に持ち、
切れ目の少し手前くらいまでスーッと歯を入れます。

と言っても最初は良く分からないので4辺繰り返すことで
少しずつ慣れます。

私は写真のような太い刃を愛用していますが、
ここは個人差が出るところです。

必ずご自分が使いやすい、ご自分だけが使うカッターナイフを
ご用意下さい。

刃が斜めになっている彫刻刀でもOKです。
消しゴムハンコ 3
少しずつ内側の細かいところに慣れます。
消しゴムのカスの形を見て頂きたいのですが、
ある程度の塊でポロっと彫っています。

チマチマ削ると時間はかかるし浅すぎたりします。
切れ目を入れたら極力ブロック状にカットして
掬いあげるように掘る、を繰り返して下さい。

刃の入れ方は良く商品の裏などに斜めに入れることで
残す部分がグラグラしないようにする旨書いてます。

ただ、あまり斜めを意識すると彫っている部分の近くの下に
刃が入ってしまうのでとにかく転写した部分の内側に
カッターの刃先が触れないようにすることだと思います。
消しゴムハンコ4
一通り彫り終えたら少しずつ形を整えます。
このサンプルでは押してみる→少し補正するを4回繰り返し、
自分がまあまあ満足する状態になりました。

この程度の細かい作業にチャレンジしてみると、
自分はどのようなデザインを考えてハンコを作成できるかの
大きな目安になります。

勿論、前述通りカリグラフィー作品のお伴にもなります。

消しゴムハンコは色んな種類が販売されています。
この消しゴムの彫った感触は柔らかめでした。

柔らかい感じから固めまで色々あります。
固めのほうが長持ちするようではありますが、
まずはご自分との相性です。

ちなみに私は結構彫る作業が楽しいので
中間どころの固さが好きですが、
どのような消しゴムでも大丈夫でした。


それと残したいところを千切ってしまった時。
これは場合によってはやり直したほうが早いです。

ただ、千切れそうだけど。。という場合、
ほぼ仕上げで千切れてしまった場合は
木工ボンドを薄くつけて下さい。

消しゴムと木工ボンドは相性が良いようで
すぐにくっつきます。
消しゴムハンコ 5
100均じゃない、もうちょっと良い消しゴムハンコを使って、
かつダイソーで買ったデザインカッター2種
(小さい刃と平たい刃)で細かいデザインにもチャレンジ。

いきなりこのようなものを掘るのは大変ですが、
前述程度のデザインに慣れて自身がついたら
ぜひ大作(?)も作って下さい。

仕上がりはリトル・ギャラリーをご覧下さい<(_ _)>
消しゴムハンコ6