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エンボッシング 苦手な人へ

Vol.91 2015年4月
エンボスについては何度か説明してきましたが、
振り返ると本当の初心者、苦手意識がある方向けではなかったなと反省(^^ゞ
簡単ではありますが、各ステップをこのページで説明しています。
カリグラフィー エンボス基礎
作品はリトル・ギャラリーを観て下さい。
カリグラフィー エンボス基礎-1
デザインしてみましょう。頭文字だけエンボスするという1つの定番デザインです。
大文字はスピードボールC-1、カーネーションはC-2、小文字はC-3です。

カリグラフィー エンボス基礎-2

デザインが出来たら大文字部分だけ型紙に書いてみましょう。
大文字部分をトレーシングペーパーなどで転写する方法もありますが、
カリグラフィーペンとカッターの違いをしっかり確認するには書くのをお薦め。

型紙に使う紙のポイントです。
文具屋、画材屋さんで売っているケント紙がお薦めです、と言っても
紙の厚みが店舗により異なる場合があります。

名刺やハガキ(官製はがきなど標準的な)も良く使います。
ストッキングの間に入ってる白い紙は適度に厚みと丈夫さと柔軟性があり、
不慣れな方には扱いやすいです。

今回は名刺用の紙を使っています。

カリグラフィー エンボス基礎-3
カッターで大文字をくり抜きます。
ご自分が持ち易いカッターを使って下さい。
刃が痛んでいるとかえって危ないので良く切れる状態にして下さい。

”M”は問題ないですが”D”は注意が必要です。
このような輪を作るアルファベットは内側をを切り落とさないよう、
一筆目、2筆目の繋がるところを敢えて少しだけ離してください。

紙の厚みのせいで作業が難しく感じたら速やかにもう少し薄い紙に換えてください。
無理するとケガの元です。

カリグラフィー エンボス基礎-4
エンボスする紙を選びます。
作業が楽なのは下に置いてあるものの模様が透けて見える紙(写真は御用達の世界堂包み紙)。
今回はタント紙を使いましたが、これもお店によって厚みが異なる可能性あり。

「初めてなんで心配だな」という方はコピー用紙で練習してください。

カリグラフィー エンボス基礎-5
選んだ紙の上に型紙を載せます。マスキングテープで固定して下さい。

カリグラフィー エンボス基礎-6
写真はトランサーと呼ばれる漫画のスクリーントーンをこする道具です。
紙工芸用にはスタイラスという名称で呼ばれる棒を使います。

棒の両端につく金属の形状・サイズが異なるものを2本くらいは持っているとエンボス好きになります(^^)
紙はひっくり返してください。型紙を張る面と紙を押す面、案外混乱しやすいです。

カリグラフィー エンボス基礎-7
まず尖り過ぎない先っぽで大文字全体を軽くこすります。
全体像が浮き上がってきます。

見辛かったら窓に貼りつく、ライトテーブル、今どきはスマホのライトも使えそうですね。

カリグラフィー エンボス基礎-8
少しずつ押しながら淵に近づきます。その際、先が細い先っぽを使います。
最後に太い先っぽでエンボス部分の中央を軽く押すとふっくら仕上がります。

カリグラフィー エンボス基礎-9
型紙を外した状態です。
カリグラフィー エンボス基礎-10
小文字を書き加えたところ。
水で薄めたブルーのインクをペン先に挿してからゴールドの絵の具を挿しています。
そうするとゴールドが減ってくると青みがかるトーンが出来ます。

小文字を後で書いた理由ですが、エンボスの場合は紙を部分的に膨らますことで紙が少し歪みます。
先に小文字を書いてしまうとバランスが崩れる(大文字と小文字が近過ぎるなど)可能性があります。

ちょっと上級編。
市販のカラーケント紙にカリグラフィーマーカーペン(3.5mm)でごく普通にゴシック体の小文字書きます。

カッターでくり抜いた後。

エンボスしている途中。
絵手紙用の紙を使って袋にするのですが、折り目が底になるので、天地を逆にしたほうが作業しやすかったです。
なので写真はゴシック体の反対かつ上下逆です。
全体の仕上がりはリトル・ギャラリーをご覧ください!