<2013年7月> サマーカード ~ 鉛筆に慣れましょう

カリグラフィーで鉛筆、と言えばガイドライン引きぐらいしかイメージしない方は多いと思います。
恐らく鉛筆で絵を書く機会が少なかったからでしょうが、
良く慣れておくとカリグラフィー作品にも色んな形で取り入れられます。
作品詳細はリトル・ギャラリーをご覧下さい!
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三菱鉛筆uni、Hi-uni(金帯)の10Hから10Bを並べています。
世界最高品質。HBあたりで何かの景品でもらった鉛筆と書き比べると
違いが良く分かります。
ユニよりハイユニが高級ですが
今から説明する作業では大きな差はないです。
まずHBで下に向かって斜め線を連続して書き続けます。
力まず一定の力で、同じような濃さで書けるまで下に向かいます。
濃さが揃ってきたらOK。
左の写真みたいに全種類そろえなくて良いのでHBより濃い鉛筆(B以上)、
薄い鉛筆(F以下)でHBと同じように書いてみます。
チカラ加減は絶対変えない!
そうすると芯の種類の違いが目で分かると共に手に伝わってくる感触も
異なる事に気付きます(左の写真はスミマセン、不明瞭で)。
鉛筆とは何と奥深い文具なのか体で分かります。
慣れたらまた同じ力加減で(力まない事)中心から外に向かってクルクルと
輪を描きます。柔らかくホンワカした円が出来上がればOK。
これから鉛筆を購入する方にはuniを薦めていますが、
まずはお手持ちの鉛筆で試してみて下さい。
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”Summer”と書いてから(濃い水色と白をペン先につけて書いてます)、
上で練習した円を書きます。
くどいですが、力加減は変えないで下さい。
色鉛筆はカランダッシュの水彩色鉛筆。
芯が適度に柔らかく(柔らかすぎると折れやすい)、お薦め。
鉛筆、色鉛筆ともにメーカー、商品で品質が異なります。
使い勝手も分からず色んなメーカーの商品で1つの作品を仕上げるのは
失敗の原因の1つになる可能性があるので気をつけて欲しいです。
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今度はここまでよりはほんの少し力を加えて縦線を書きます。
布の折り目をイメージしながらだったので少し線をビビらせながら
かつ円を避けたり文字の上を通過させたりと縦線を書きました。
この繰り返しで仕上げは少し賑やかです。
でも優しい力で色鉛筆を使ったので独特の柔らかみが
背景として一定に表現出来ました。 |
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以前頂いた木製折り紙を使いました。
薄い紙の上に薄い木を貼っているので折れたりはしません。
先に字を書きました。スピードボールC-2で書きましたが、
どえらく書き辛かったです。2,3回なぞりながら書きました。
次に家にあった葉っぱを書きました。
トロピカルって感じで。
ここではやはり頂き物の、鉛筆型に加工した木炭で書きました。
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こんな感じになりました。
鉛筆類を作品に取り入れた場合、どう表面を保護するか悩むところです。
フィキサチーフ(定着液)をスプレーするのが一般的ですが、
今回は別の方法で保護しました。 |
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シンメトリーが肝心の作品を作ってみたくて
金魚兼金魚蜂の型紙です。
当然、半分だけ出来上がったら折り返してもう半分の出来上がり。
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型紙を使って金魚鉢。
色鉛筆で字を書きました。
色鉛筆は消しゴムでこすればある程度消えてしまいます。
となるとガイドラインを鉛筆で引けない、となりますが
上記で練習した筆圧よりもう少し弱くガイドラインを引いて下さい。
(HBが無難です)
字を書いてから叩くように消しゴムでガイドラインを消せば
あまり目立たないです。
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色鉛筆で水を塗ったり、水草を配したり、
マーカータイプのカリグラフィーペンで金魚描いたり
平筆で鉢の淵を彩ったり。
1つの小さな作品の中で道具を使い分けてみました。 |
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アクリル絵具の艶出しなどで使うジェルメディウムを
上にさっと塗ります。
「さっ」と作業すれば文字や絵は滲みません。
紙の上でモタモタしないこと。
そのためには幅広の平筆をお使いになる事をお勧めします。
結果、楽しげな作品になりました(自画自賛)。
金魚描いてみたい方は下の写真を参考にして下さい。 |
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アクリル絵具のゴールドで字を書いてから
前述の水彩色鉛筆でアゲハ蝶を書きました。
鉛筆で色付けしてから水を含ませた筆でなぞる、を繰り返すと
絵がハッキリしてきます。
文字部分はアクリル絵具のため耐水性になっているので
この色鉛筆の使い方の影響は受けません。
それぞれの作品の仕上がりはリトル・ギャラリーをご覧下さい。 |