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カリグラフィー・テクニック

  カッパープレート体で大きめ作品!
 
 
書体別にちょっと大きめサイズで
作品作りをするシリーズ第4弾です。


カッパープレート体はエレガントですが
目立ちにくい欠点はあります。
しかし今回のテーマ”Happy Wedding”
にはふさわしい書体です。

ぜひ下記をヒントにメデタイ雰囲気の作品に
チャレンジしてみてください!



試し書きの手順

今回は枠飾りをシンプルに、そしてカッパープレート体特有の伸びやかな曲線を
気持ち良く書きたいな、という点を目標に作品づくりを始めました。

第一段階 ラフスケッチ
ホントウにラフに頭にチラッと浮かんだイメージを
書き留めています(チラシの裏に。。。)
第二段階 方眼紙に試し書き
カッパープレート体は斜体の角度が
キツイ(52度)ので予想以上に行幅をとります。

完成までに気をつけること
今回は作品の作り方そのものより使う材料に幾つか気を配ることがあります。


【紙】
タント紙を使っています。カッパープレート用のペン先には引っ掛かりが少なく書き易いほうです。
また、ウエディンググッズに好まれる水色(サムシング・ブルーですね)を紙の色としました。

【インク】
前回のクイリングで白文字のカッパープレートに興味を持たれた方がいらしたようなので、
今回あえて白文字にしています。

ウインザー&ニュートン社から出ているカリグラフィーインクのホワイトを使っています。
ガッシュ(不透明水彩)の白でもOKです。

前者の方がペン用に開発されている分ペン先が詰まりにくいですが、どちらも粒子が粗いので、
ペン先を洗いながら書いてください。

透明水彩の白もありますが、ちょっと弱いですかねぇ。

【注意事項】
カッパープレート体の欠点として今までもお話してきましたが、遠くから見ると地味です。
額装作品を例えばお友達の結婚祝いに贈るとしても、式場に飾ってもらうにはちょっと目立ちにくいです。

”だけどカッパープレート体でプレゼントしたい!ぜひ式場に飾って欲しい!”という方は
以下の点を気をつけてください。

  1.紙と文字色に気をつける
    白文字の場合、紙の色をかなり濃いタイプにする(濃紺、こげ茶、濃いグリーンなど)。
    今回の水色は近くで見ると綺麗ですが、光の当たり具合では見えにくくなります。
    黒い紙が白文字は一番引き立ちますが、言うまでもなくメデタイ席には×ですよ!

    白文字に拘らない時は淡い紙の上に黒、こげ茶、濃紺など濃い色で書いてください。
    ピンクや水色を文字色にしたい時は透明水彩や透明インクは目立ちにくいので不透明のタイプを
    使うことをお勧めします。

   2.目立たせたいところの書体を変える
    タイトルや名前など作品の中で一番注目して欲しい箇所はイタリック体やゴシック体などしっかりした
    書体に変えてみるのも良いです。

    この点は機会があればそのうち作品を掲載したいと考えています。


【直線を引く】

作品内に直線が存在すると、作品全体がしまることが良くあります。

”でも直線が引けないから”と諦める方がいらっしゃいますが
お手持ちのスピードボールでも線が引けます。

一番綺麗に引けるのは烏口(からすぐち)ですが、お持ちでない場合はぜひお試し下さい。

今回はC−5のペン先を使っています。

1.定規に注意!
定規はかならず縁が斜めになっているタイプを使って下さい。
製図用の定規で左右両方、あるいはどちらかが斜めになっているタイプがあります。
使う時は、カットされている辺が下に、カットされていない辺が上にくるように定規を置きます。

今回使った定規は目盛の反対側を線引きに使う際は表のままで使えるようになっていました。

これを意識せずに引きたい線上に定規をピッタリおいてしまうと、インクを引くずることになります。

2.ペン先の当て方に注意
定規を上記の説明の通りに置いたら、ペン先の左側を定規の上側の辺にあてて線を引きます。
この時下側の辺にペン先を当ててしまうと、結局定規を動かす際にインクを引きずるので注意して下さい。

下の写真を参考にして下さい。

また、上側にしっかりあてていないと、定規からペンが離れてふわふわした線になってしまいます。

インクの量は文字を書くときと同じで構いません。途中で足りなくなったら、定規を動かさず、インクを補充して
続きを書いて下さい。

また、白インクは一回引いただけでは弱いことがあるので、乾いてから同じところをもう一度線引きすると、
ハッキリした直線になります。

3.定規をマメに拭く
 ペン先のインクが定規の上側に付着します。これをマメにふき取らないと、そのうち垂れてきてしまいます。
 1箇所の直線が出来上がるたびにふき取ることをお勧めします。

※ コーナーの半円はフリーハンドです。鉛筆で薄く下書きしておけば難しくありません。
もっと大きい円を作品に描きたい場合は烏口版コンパスも売っています。
作品の詳細はリトル・ギャラリーを御覧下さい!