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カリグラフィー・テクニック

ビクトリア調カードの作り方
  


<2005年12月>



この冬流行りのビクトリア調にチャレンジ!
と言ってもオーバーに考えずご自分で抱いているイメージで作ってみましょう。


ビクトリア朝時代はイギリスのビクトリア女王時代(1837〜1901)を指します。

文明が大きく発達した時代とも重なるのでファッションも目まぐるしく変わります。
また、科学の発達から今まで高級だった色が安価で出来るようになった時代です。

化学染料により紫が大変流行った時期でもあるので、取り入れるのもアイディアの1つ。

この時代は時の流れが速まりだした一方で、古い時代への回帰(カリグラフィーの見直しもその1つ)が
文化的な流行でもあったのでリボンや布地を作品に取り入れる場合は
クラシカルな花柄やストライプを取り入れても雰囲気が出ます。


女性の白い総レースのドレスに黒いビロードのチョーカーなど映画や
絵画からこの時代(上記の年数にキッチリ切る必要はないと思います)の
服装や室内装飾の色・柄の組み合わせをよく観察することもイメージを掴む手です。

ついでに本や楽譜、手紙など紙物が出てきたらどのような書体がどのような使われ方
をしているかも観ると、書体と時代の関連も垣間見ることが出来ます。

目をお皿にしてね。

リトル・ギャラリーでは他の作品もご覧になれます。
必ず文字部分のみを先に書いて下さい。

ここでは載せていませんが、
今回も別紙にデザインを考えながら
下書きはしています。

どこにどのような飾りをつけるかで、
カリグラフィーペンでどこまで書いておくかが
決まるのでイキナリ本番の紙に書く事は
お薦めしません。

(大文字:スポードボールC−2
 小文字:    〃   C−4)
ビクトリア時代のアンティークカードなどを見ると、
ゴシック体やローマンキャピタル体系の字に
細い線で飾りをつけていることが良くあります。

今回はゴシック体でやってみましたが、

大きい一つの波線には同じ方向の小さな波線を
1,2本つけ加えたり、
線の先っぽを小さな丸で塗り潰すと雰囲気を
出しやすいようです。

肝心のペン先ですが、必ず先が尖ったものを
使って下さい。

私は人差し指からインクが出るペン先を
愛用しています(写真右参照)。
(ブラウゼのNo.29 EF ISERLOHN)

製図や漫画用のペン先売り場で良く見かける
ペン先です。

これでなくてはいけない、というのではないので、
お手持ちにカッパープレート用のペン先や
Gペンなど尖ったペン先があったら使ってみて下さい。

波線を書き易い方向に紙を回す事を忘れないで
下さい。

必ず先に鉛筆で薄く線は書いておいて下さいね!

文字を書き終え、乾かしてガイドラインを消してから
次の作業に入ります。

リボンを通す穴の位置を決めます。
今回はリボン幅(5ミリ)より少し長めの縦線を
5行2つずつ、計10箇所切り込みを入れています。
(赤線参照)

しかしリボンの通し方や位置で当然切り方は全く
変わりますので、慎重に対応して下さい。

仕上がりがどうなるのかイメージできない場合は、
必ず同サイズの別紙に切り込みを入れて実際にリボンを
通してみて下さい。

ここで間違えたら勿体無いですからねー。
切り込みを入れたら、オーガンジーのリボンを2重にして、
(ちなみにフワフワ感が出るようにこのリボン幅より
 細めに切込みは入れました)
その上を5ミリ幅のリボンで押さえるだけ。

最後はちっちゃいバックルみたいなのにリボンを通して
出来上がり。

完成品では紫のレザック紙を二つ折りして少し見せています。

バックルみたいのは輸入物のスクラップブッキングの
グッズを売っているようなお店で手に入り易いです。。

でも普通に蝶結びしても可愛いですよ。
<番外編>

ビクトリア調というにはかわいいもんですが
今年のハロウィンカードでも使った縞々の紙テープと
100円ショップで買ったレースを組み合わせてみました。

一応、”マイ・フェア・レディ”の競馬場シーンのドレスを
イメージしています。

”Noel”は金文字です。

上下にとめている紫の丸いものは裏に二股に分かれる
細い金属の板がついていて、開いて紙を留めることが
出来ます。

これもスクラップブッキングの輸入物系。

伊東屋系の広尾の”papierium”で買いました。
レースは木工ボンドで留めました。

上から紙切れと一緒に押さえちゃうとしっかり留まります。

後は紙テープを上から貼るだけです。

先につけたボンドが完全に乾くまでは
上に辞書などの重しを載せるとさらにしっかりします。