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カリグラフィー・テクニック

<2009年8月> 消しゴムでスタンプ作り(蔵書票&ハンコ)




やっぱり日本人ですから、ハンコって愛着ありますよね。

日本の書画に押す落款のように、
カリグラフィー作品にご自分の名前の判子を押す方も多いですが、
カリグラフィーのちょっとした知識があれば、
スタンプ作りのデザインや用途の幅も広がります。

作品の詳細はリトル・ギャラリーを観て下さい!
注! ハンコは、自分のものであることの証明に使いますから(蔵書票も)、
デザインそのものの流用はご遠慮下さい。

当サイトは通常、サンプル作品に対して著作権の考え方を緩くしていますが、
どういう場面で判子を押すか思い浮かべて頂ければ
デザイン流用の良い悪いは判断しやすいかと思います。
今回、スタンプを作るにあたり、数種類の消しゴムを試しました。
結果、2つの商品に絞り込んで説明することにしました。

●かためほるナビ 株式会社シード
 少しサイズの大きな商品が欲しかったので、このハガキ大商品は助かります。
 そしてある程度掘り下げると、黒色の消しゴムが出てくるので、
 実演時に見易いし、自分も分かりやすいという利点があります。

●はんけしくん ヒノデワシ株式会社
 商品名の頭に「透明だから彫った時に刃先が見える」とサブタイトルがついています。
 半透明の色合いが綺麗で、何と言っても彫ったカスが少しネットリしているので、
 慣れていない人には力の加減がしやすいです。

勿論、普通の消しゴムでも、表面が平らで綺麗でしたら、問題なくハンコとして彫ることが出来ます。

しかし、上記のような消しゴムはんこ専用の商品を使ったのは2点大きな理由があります。

1.耐久性
 普通の消しゴムに比べて劣化しにくいようです。
 消しゴムって時間が経つとべたついたり、あるいは固くなったりしますよね。

 少しでも長持ちさせたかったら、やはりスタンプ用の商品を使った方がお勧めします。

2.下絵の転写方法
 薄手のトレーシングペーパーを使って消しゴムに下絵を転写する際の主な手順を並べます。

   1)紙の上に下絵を描く
   2)トレーシングペーパーを1)の上に乗せ、鉛筆で丁寧に主線をなぞる
   3)トレーシングペーパーを裏がえし、消しゴムの上に乗せる
   4)鉛筆等で下絵の主線をなぞる

 2)の鉛筆の粉を消しゴムにこすりつける作業が4)です。
 この作業が必要ありません。

 3)の状態で、指でトレーシングペーパー全体をこすれば、
そのまま図案が消しゴムに転写されます。

スタンプ作りは細かい作業なのに、この転写を繰り返す内に
元の図案と線質が変わってきます。

4)の作業が簡単になることは、慣れていない方には気分的に楽です。

以下、道具やコツは少し記載していますが
商品に必ず説明書きがついています。一通り読んでから作成に入れば、
大きな失敗はないはずです。


上記にも書いた、下絵を消しゴムに写すまでの過程です。

・左上
 ラフスケッチです。

・右上
 下絵です。
 彫る時に線は歪むので、この段階で妥協せず
 直線は直線に(定規を当てる)丁寧に書きます。
 彫る時のことを考えて、線と線の間を考えます。

 図案の考え方として、ネガかポジしかないので、
 複雑な図案ほど頭を整理して時間をかけて描いて下さい。

 丁寧に仕上げるほど、彫る過程で失敗する率が減ります。

 図案にアルファベットが含まれる場合は、
 使う書体の形を良く意識します。
 勿論、カリグラフィーペンを使ってもOK

・左下
 トレーシングペーパーを乗せて主線をなぞりました。
 例えば縁取り線の太さを揃えたい、
 左右対称のデザインにしたい、という時は、
 写真のような方眼紙タイプのトレーシングペーパーも
 一考です。

・右下
 消しゴムに移した状態です。反転しています。
 
道具です。彫刻刀をお持ちでない方は、
カッターだけでも作成出来ます。

ただし、カッターだけの場合は細い線だけで
構成されたデザインは難しいです。

100円ショップでも彫刻刀を扱っているお店があります。
丸刀(刃先が”∪”)、三角刀(刃先が”∨”)状の
彫刻刀を買ってみて下さい。

刃先の幅はいろいろなので、今後時折掘りそうだったら
少しずつ買い足して下さい。

千切りかけた消しゴムを引っ張るのが怖い場合は、
ピンセットでそっとめくってから引っ張ると
慎重に作業出来ます(怖くなかったら必要ないです)

どこから彫り始めてもいいですが、サンプルではメインの
”N”から彫っています。
彫り終えて押して見た状態です。

背景に斜線を彫りましたが、下絵にはありません。
この斜線が最初からあると、全体が見え辛いので。

ある程度彫ったらスタンプ台を押しつけて、
彫り加減をみながら進めて下さい。
多色刷りの版画のようなスタンプも作れます。
左はその簡単な例です。

背景用のスタンプ、その上に乗せるスタンプ
一個ずつ作りました。

色の組み合わせに注意して下さい。
背景のほうが前景より濃いと、当然手前が
見え辛くなります。

スタンプ台は紙用と布用があります。
布用の方が少しネットリ濃く押されます。

また、当サイトでは100円ショップの材料を良く使いますが、
スタンプ台に限ってはケチらない(?)ほうが長く持ちます。

(自分や周りの人の経験から、100均のはキレイに押せない、
油染みが出る、ということがありました。
その場で楽しむんでしたら、問題ないです。)

番外編。
過去購入したハンコ用消しゴムの余りでつくったものです。
なので、メーカー等不明な消しゴムも使っちゃってます<(_ _)>

紙に押してある順に説明すると、
・右端
2008年11月の作品展で使用しました。

・真ん中上
これは、”はんけしくん”の小さなかけらを
指輪の台にはめ込んだものです。

・真ん中下
私の、比較的小さい作品用落款です。

ここまでは細い三角刀一本でぐいぐい彫れる類、
かつ私の名前をデザインしています(*^_^*)

・左端
屋号のハンコが欲しかったので彫っちゃいました。
これは、カッター一本でも彫れます。
ついでに100均で買った積木用の木材を
ボンドで貼りました。持ちやすいです。

この丸いハンコも自分の名前をデザインしています。

写真ではハッキリ見えませんが、
ワインのコルクを瞬間接着剤でくっつけています。

使用頻度が高いスタンプは、持ち手があったほうが
やはり押し易いです。

ここではスタンプ作りのコツだけ大まかにまとめました。

デザインの考え方は、
リトル・ギャラリーを観て下さい!