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カリグラフィー・テクニック

<2009年9月> 小作品の作り方例



お気に入りの詩を、額装作品にまとめてみましょう。
サイズはB4サイズ。凝り過ぎず、大き過ぎない手頃な作品例です。

まだ額装作品に慣れていない方、ご参照下さい。

リトル・ギャラリーも観て下さいねー。
1.今回、一つ短い詩をテーマとしました。
 ウイリアム・バトラー・イェイツの ”He wishes for the Cloths of Heaven”.
 (岩波文庫 対訳イェイツ詩集)

ちょっと思いこみ激しい男の人が才能豊かな女性に一方的に惚れ込んじまった、と解釈しましたが、
自分が男性だったら、こういう女性に出会ってみたいでしょう。

それに比較的平易な単語を組み合わせた詩だったので
取っ付き易くもありました。

上記写真は書体とそのサイズ選定のための下書きです。
黒い紙に白で書くことは決めていたので、最初からその状態で試し書きです。

左側は、最初はサイズ大きめに書いています。
下に向かう程、文字が小さくなっています。

結果、全体的にかなり小さい文字で書いた方が良いだろうと決め、
詩の全文を書いたのが右側です。

ちっちゃくカロリンジャン体を書いていますが、この書体はXハイト2mmで書いています。

2.前述の作業で、各行の横幅は大体分かりました。
 ざっくり右寄せにしたかったので、黒い紙の右下に
 全文書いてみました。

3.次に薄手のトレーシングペーパーを載せて布の形を考えました。

4.そのトレーシングペーパーをパーツ単位で切り離し、
 少しずつ輪郭線をなぞったのが、
 左の写真の状態です。
 (輪郭線は色鉛筆使ってます)
5.仕上げです。
  ラメ糊を筆で伸ばし、ラメ粉を振りかけています。
  ギラギラ感が強すぎるところは、上から色鉛筆を塗りました。

 この時、額装に慣れていない方は気を付けて下さい。
 仮にマット紙を上に載せないとしても、
  額縁に入れただけで周囲が少し隠れてしまいます。

 これを忘れて紙の淵ギリギリまで字や模様を書いたり、
 サインを入れてしまったりしがちですが、
 周囲が隠れてしまってもいいように常に意識して下さい。

 サインは額装が確定した、一番最後がお勧めです。

 
6.最後の仕上げです。
  星雲の写真を観た時、空間全体がガスってますよね?
 私も布の周りをまっくらなままにしたくなかったので、

 空間部分には紙やすりを軽くこすっています。

 そしてラメ糊の容器先端であちこちに点々と星を広げました。