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カリグラフィー・テクニック

<2010年2月> ハート型考


ヴァレンタインカードにハート型は欠かせませんが、
特にこの季節でなくても、作品に何かしらハート型は取り入れてみたくなるものです。

文字の一部をハート型に見立てたり、背景にハートを散らしたり。

ですが、この形に苦手意識のある方は案外多いです。

まず基本的な形の作り方を整理して、
作品に取り入れてみて下さい。



リトル・ギャラリーも観て下さい。
ハート型の作り方は幾つか考え方があると思うのですが、
下の考え方がシンプルで、自分でアレンジしやすくてお薦めです。


1.適当な大きさで正方形を4つ作ってみて下さい。
(写真は、4つということを認識しやすいようにちょっとずれていますが、
勿論1つの大きな正方形に垂直・水平に中心線を引いて下されば良いです)


2.上2つの正方形ピッタリに会うように正円を2つ描きます。

通常、コンパスを使用するでしょうが、方眼紙を使うと中心点を図る時など楽です。
(今回は図が見易いように、方眼紙は使っていません)


3.正円それぞれ左下・右下のラインにほぼ沿うような位置から
縦の中心線下に向かって斜線を下ろします。

結果、大きな”▽”を作成したような形になります。

これを塗りつぶして見た形が右側です。
ほぼ滑らかなハート型の出来上がりです。



上側の2つの膨らみを均等に滑らかにつくることが
苦手さを産み出していると思います。

ですが、この基本形が分かれば、
ハート型中心部分の2か所のポイント(●印)を上下に移動することで
もっと幅広のハート、もっとシャープなハートなど、と
形を考えやすくなります。

まずポイントをずらしてみて、元の形から少しずつ
鉛筆で補正し、形を変えて下さい。

イメージしている形が出来たら、それを元に
作品に活かすだけです。

応用してみましょう。

左の写真は、上記の考え方でつくったハート型から、
2つの正円部分の接点であるポイントを、
少し浅くしました。
鉛筆で形は少しずつ変えました。
(見易いように、マジックペンでざっと輪郭線をなぞっています)

この作品は、鳴り笛を内蔵したかったので、
この笛より余裕持って大きなサイズでハート型を考えています。

という事は、正方形の大きさが大事になります。

ここはご自分の理想のサイズとハート型がつくれるまで
根気が要ります。

でも、すぐに慣れますよ。
 
そのハート型を型紙として、小さなクッションの作成です。
鳴り笛がずれないように、周りに綿をうまく詰めて下さい。

今回は、カードの飾りとしてのハートとなりましたが、
この考え方は色々応用出来ますからね!


ハート型のどちらか半分だけを考えて、二つ折りした状態で
ハサミで切る、というハート型の作り方もあります。

でも人間の目は案外左右対象にキチンと見てないので、
この方法に頼るよりは、全体の形を常に見たほうが
手作りカードにとっては自然なハート型が出来ます。