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変種ギルディング

Vol.76 2013年6月

カリグラフィー 変種ギルディング

ギルディング(金箔貼り)に関しては専用の糊、
あるいは木工ボンドやグロスメディウムといった代用品での貼り方を紹介してきました。
このページでは今までご紹介していない方法を説明しております。

作品詳細はリトル・ギャラリーをご覧下さい!

カリグラフィー 変種ギルディング-1 ギルディング経験者は後生大事にとってある、
捨てられずに保管している金箔の屑を集めましょう。

左では、敢えて色々な箔を混ぜながら集めています。
カリグラフィー 変種ギルディング2
インク(墨汁)、ヤマトのり、水を用意します。

混ぜ合わせる容器は使い捨てが便利です。


サンプルのように薄墨で書きた時は
インクに水を足して濃さを調整します。

これにヤマト糊を混ぜ合わせます。
ヤマト糊は水で溶くと粘着力が弱まるので、
インクに対して4,5割混ぜて良いです。
カリグラフィー 変種ギルディング-3 平筆で”t”を書きました。
カリグラフィー 変種ギルディング-4 乾かない内に金箔の屑を乗せ、軽く叩いてから
そのままにします。

”軽く”と言っても強く叩く人がいますが、
インクを擦ってしまう危険があるので毛先でポンポンと
金箔部分に触れる程度で良いです。
カリグラフィー 変種ギルディング-5
縁飾りとして別の色の紙に金箔を乗せます。

勿論、中心部分とサイズをキチンと合わせる必要があります。

カッターで切りこみを入れてからこの作業を行って下さい。
a)真水とヤマト糊を5:5くらいで良く溶き、筆で金箔を乗せたい部分にだけ
筆で塗ります。

b)金箔の屑を散らして乾くのを待ちます(ポンポンしてもいいけど)

ご自分のイメージ通り箔が乗るまでa,bを繰り返します。

四方に少し光っている部分はお菓子の中敷きを切り、
切れ目に挟んでいます。必要なところ以外に糊がつかないように。
カリグラフィー 変種ギルディング-6
”t”についていた余分な箔を落とし、周りに字を書いて
(このレイアウトでは”t”に合わせて周りを書いたほうがバランス取れたので)
上記の枠飾りを下から引っ張り出します。

”t”の上部に箔が沢山ついていますが、筆を最初に置いた部分が
一番インク+糊が溜まるので、しっかり箔が付く訳です。

それと、私は撮影のために”t”を書いてから箔乗せまで1分ほど空いたので、
この作業がなければもっと箔がついたかもしれません。

ちなみにここまでの2枚はマーメイド紙を使いました。頑丈なので。
カリグラフィー 変種ギルディング-8 このサンプルではまず字を書いちゃいました。

枠のサイズを決めてから字を書くのはとってもとっても大変ですので。

枠部分にはアシッドフリーの両面テープを貼っています。

写真に写っているのは金箔用の両面テープです。
あるいはホルムアルデヒドが少ないタイプなど、
素材を傷めにくい両面テープを使って下さい。

ダイソーでも買ったことがあるし、スクラップブッキングの材料としても
売っています。
カリグラフィー 変種ギルディング-9 上記の両面テープを剥がして金箔を乗せます。
以下、写真には写っていませんが箔の上に箔の裏打ち紙か
ティッシュを乗せてからそっと箔をこすって下さい。
(分からない方は6.ギルディング(金箔貼り)(基本動作)をどうぞ)

最初のサンプルで使った粉々の金箔は困っちゃいますが、
無理に一枚の綺麗な箔でなくても枠線の繋ぎ目は目立ちません。


その上に木工ボンドとBBX(セメダイン社)という
乾かないボンドを半々に混ぜて盛ります。

この手の時間が経ってもべたべたしている糊を探していました。
まだ発売されて1,2年?

先日ハンズでみかけて大感動。
しかも使い方は勝手に考えて的な、作り手にはたまらないポジションの
ボンドでございます<(_ _)>そして使い方を勝手に考えました。

BBXは短時間でネバネバが強まるので1か所ずつ分混ぜ混ぜしたほうが
キレイに盛れます。
カリグラフィー 変種ギルディング-10 いつもの要領で箔を乗せ、余計な箔を掃った後です。

多少ぼこぼこしやすいですが、立体感は出ます。

BBXだけでも同じ作業は可能です。
ただ、乾いた後のべた付きの強さゆえ、粒子が均一でないようで、
箔の輝きが若干落ちます(あくまで私個人の実験結果ですが)。
カリグラフィー 変種ギルディング-11 古い油絵の額縁っぽいことをしてみました。

額縁制作と同じ材料を気軽に揃えるのは難しいです。

フレキシブルモデリングペーストで代用しました。
リキテックスを扱っているお店へ行ってみましょう。

紙の付きが良く、ちょっとした造形が出来ます。

鉛筆で薄く下書きしたアイビーに載せていきます。
(筆、あるいは写真のような細いヘラを使って下さい)
カリグラフィー 変種ギルディング-12 上記写真のヘラの先にきめの細かい紙やすりを巻き付け、
ペーストの表面を軽く研磨しました。
カリグラフィー 変種ギルディング-13 蔦の葉脈を掘りました。

紙の層まで掘らないように。
カリグラフィー 変種ギルディング-14 ヤマト糊が均一に水っぽくなる程度に真水を加え、
蔦部分に塗り、ダッシュで箔を乗せた状態。

ヤマト糊は前述通り、付きが弱いのですぐ箔を乗せて良いし、
剥がしてみてまだ箔を乗せたかったら何回でも同じ作業を繰り返してOK

結果どうなったかはリトル・ギャラリーをご覧下さい。