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カリグラフィー・テクニック

<2009年8月> カード作りの作成手順 〜サマーカードの場合〜




カード作りは、すぐにアイディアが出てくればスムーズに取り掛かれるのですが、
アイディアが出てこないばかりに作成を諦めるということがあると思います。

今回は、出だしは少し時間が必要ですが
アイディアをご自分の頭の中から吐き出す一例を説明します。
(あくまで考え方の一例ですので、悩まれないように)
1.まず1つ言葉を決める。

単語1つでも、文章でも良いです。割り切って1つ決めちゃう。

作成時間があまり取れない時は、なるべく短いものにする。
今回は”summer”です。


2.書ける書体で書いてみる(サンプル作成)。
  季節がテーマであれば、その時期にあった色を使ってみる。
  (色も思いつかなければ、黒で)

書ける書体が1・2個であっても、
必ず勉強したXハイトとペン先の角度で書いてみて下さい。
(カッパープレート体以外、全てC−2のペン先)

紙のサイズも割り切って決めちゃいます(ハガキ大など)。
自ずと余白が見え、季節感も意識出来てきます。

黒一色で書いた方でも、余白をどうしようか、と考えるだけで
色が見えてくることもあります。
3.サンプルの中から、1つ書体と色を決めてしまう。
  上記のように書体を並べると気付きますが、
  例えばローマン・キャピタルやラスティック体など
  ”SUMMER”だけでハガキ横幅ほぼ一杯です。

  カッパープレート体はサンプルのような淡い色で書くと、
  目立ちません。

4.アレンジ可能な書体は、デザインしてみる。
  今回はイタリック体で”Summer”と書く、と決めちゃいました。
  そして少しアレンジしたものが左の写真。

5.文字+何か工夫するか決める。
  季節柄を取り入れる、紙の組み合わせ・文字色等工夫する。

  左写真の、平筆で描いた、シルバーの線、これは今回用に
  描いた線ではありません。下記ページの実習時、
  説明しながら描いた紙を今回使いました。

34.父への手紙 − 平筆とスパッタリングで模様作り
水玉模様は、型紙を作って(紙を好きな大きさ・形に刳り抜く)
色をつけるだけ。

色を付ける際は、筆先の水気は抑え、叩くように型の内側に
色をつけていきます。

この方法は、型の輪郭線がぼやけて色も淡く付くので、
ホンワカ感を出したい時お薦めの方法です。

色が淡いので、模様を重ねると、色が重なった状態も
楽しむことが出来ます。

そして前回作ったハンケシを落款として使ってます。

 ↑この一連の作業の中で、紙の色と文字色が
 決められない場合は濃い紙に白で書いてみる。
 (結構格好がつきます)
 これは一年中使える考え方です。





白文字で書く例です。

今度はゴシック体にしてみました。

ただし、頭文字はギルディングしています。
と言っても、ギルディング糊を乾かしてから
色箔のカスを重ねただけです。

火の粉も同様。ただ、写真に写らず残念ですが、
淡いイエローのラメ糊をぼかして、その上に色箔を散らしているので、
花火の火の粉のモワッとした感じを出しています。

花火は花をカリグラフィーペンと書く時と一緒で、
常に中心を意識すること。
中心からずれると、変てこりんな形になっていきます。

白い絵の具が乾かない内に他の色を隅っこに乗せると
カラフルになります。
           
続けて白で書いています。
朝顔も。

朝顔は、花の中心が★型になるように気を付ければ、
朝顔に見えます。

台紙上下の色付き朝顔も描き方は同じです。

実は、今回3種類のサマーカード、
文字だけでなく花火と朝顔も全て
スピードボールC−2のみで書いています。

ペン先サイズを豊富にお持ちでなくても、
カードは作る事が出来ます。

勿論、十分扱いに慣れる必要はあるので、
要は練習あるのみ?

今回の特集に関しては、このページのほうが写真豊富ですが、
宜しかったらはリトル・ギャラリーもご覧下さい。