
ゴールドで字を書く、って憧れますよね。
でも思う通り発色しなかったりペン先からうまく出なかったり。
一言でゴールドと言っても色々あるので使いこなすには
お手持ちの絵具の特徴を知るところからがスタートです。
ここではついでにポチ袋の折り方を説明しています。
作品はリトル・ギャラリーも観て下さい!
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昨年ご説明した84.カラーチャートを作るでの絵具の出し方よりすこ~し多めにパレットに出した状態。
今回は下記6種類を比較します。
上段左から
クサカベ アキーラガッシュ 色名:GOLD
アキーラはアクリル絵具ですが、完全に乾くのに数日かかるという変わり種
リキテックス アクリル絵具 色名:RICH GOLD
アクリル絵具の金定番(私にとって)。滑らかで使いやすいです
ターナー アクリルガッシュ 色名:赤金(あかきん)
和名やパール系絵の具が沢山出ています。光物の絵具を揃えたい方、お薦めメーカー
下段左から
ぺんてる 透明水彩絵具 色名:きんいろ
ホルベイン ガッシュ 色名:パールゴールド
不透明水彩・金定番(私にとって)
ニッカー絵具 ポスターカラー 色名 リッチゴールド
ポスカラと言えばニッカーですね(^^)

そして84.カラーチャートを作るの要領で水を一的ずつ垂らします。

これまた84.カラーチャートを作るの要領で各絵具別々の筆で混ぜ、
紙に濃淡を出すように塗ります。
筆を6本も用意するなんて面倒と思ってもここはある意味実験なので
金の粒子が混ざらないよう、キレイな筆で別々に混ぜた方が良いです。
写真は上がグレーっぽくなっていますが純白です。
金の部分ももう少しですが明るいです。
光る絵具は慣れないと紙によって全く発色が違って戸惑いますよね。
ここで黒い紙にも書いてみるのをお勧めします。
(絵具が乾かない内に!)
左下ぺんてるが透明水彩なので一番淡く、
ニッカーがポスターカラーなので粒子の密度が高く強く発色しています。
上段はアクリル系3種ですが、赤金は強く発色しています。

6種類比べただけでも違いが色々見えてきます。
これを理解して作品に取り入れると扱いがだいぶ楽になります。

では平筆を使ってゴールドを楽しみましょう。
写真のように水で筆先を濡らし、指でなぞってシャンと毛が立つ平筆をお使い下さい。
デザイン用、あるいはトールペインティング用として売っている平筆は使いやすい物が多いです。
写真はAMERICAN CRAFT LIFEの筆、17mmくらいです。
両端に前述のリキテックスリッチゴールド、真ん中にターナーのパールホワイトをつけて”?”マークを書きました。
ゴールド パールホワイト ゴールドの間は少し空けると互いの色が混ざりません。
無理に一気に書かず、ご自分が楽な方向に分けて書いてください。
途中で同じ位置に絵具を足すこともお忘れなく。
※ 絵の具を溶く筆はそれぞれ別途用意してください。平筆で混ぜないように。
絵具を溶いた筆で平筆に絵具を含ませます。)

今回金ネタにこだわっています。
”?”はアクリル絵具で書いたので、上に何してもにじむことはありません。
ホルベインガッシュで文章書いてます。
その後仕上げに粒々を乗せました。
ペベオ セタカラー3Dプロードパールを使いました。
乾くのに72時間かかると書いてましたが、この乾燥した季節にひなたで乾かしたら
大体1日で乾きました。

カッパープレートのペン先でターナーの赤金を使って小文字を書きました。
アクリル、特に金は膨張するのでペン先からどぼっと出やすいです。
普段の筆圧よりかなり押さえてください。
紙からペン先が浮いているような間隔です。
それとマメにペン先を洗って下さい。
アクリル絵具に限らず金系はペン先に粒子がドンドン積み重なって書き辛くなります。
この小文字の上でリボン柄を書きました。透明水彩の金とブルーのコンビネーションです。
”?”の時と違い、2色の間はあけませんでした。
なので互いが混ざった時の表情を楽しめます。
斜めにカットされた平筆を使いました。このタイプも書き易いです。
垂直線にもチャレンジしてみてください。
ガラス棒と溝付きの定規があればベストですがなければ写真のようなスタイラスでも良いです。
(エンボスなどでカリグラフィーでも使うものです)
スタイラスと筆を平行に持ち、定規にスタイラスを当てて線を引きます。
この平筆は斜めにカットされています。これもなかなか便利です。
写真のように作品サイズよりも長く線を引くと、書き出し部分をカット出来て綺麗に仕上げられます。

平筆で文字を書いてみましょう。
”筆”というだけで書道のようにいきなり字を書くとバランスが悪いです。
カリグラフィーはそれぞれの書体で一番バランスの良い文字の高さを持っています。
使いたい平筆では正確にどのくらいのサイズになるのかまず知ってください。
ここではニッカーのリッチゴールドを使いました。
ペン先で文字の高さを測る要領で平筆で”■”を書きます。

イタリック体の大文字はXハイト+アッセンダー下半分(ペン先7.5個分)。
まず基本で書いてみます(左の”L”)。
これで書けそうだな、と感触を得たらアレンジするなり、他の字を書いてみるなりをお勧めします。

今回の実験ではニッカーが白い紙でも黒い紙でもしっかり発色すると分かりました。
なので平筆で練習した”L”を書きました。
”L”を書いて後は小文字。
ガイドラインを引きたくない時は写真のような枠紙を作ります。
Xハイトよりかすかに大きい枠の中に文字を書きます。
(今回は必要なかったですが”m”や”w”を書きたい時は枠紙を幅を広げなくてはいけません)
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つる草を書き加えましょう。これまたゴールド。
ポスカ(三菱鉛筆株式会社)の極細で書きました。 |
<ハート型のポチ袋>

左から主だった工程を並べています。
細かく言葉にすると説明が返って複雑になるので写真をよ~く見てください。
1.正方形の紙を△→△におります。
写真の状態の中央線がとても大切になります。
2.△の左右底辺を中心線にもってきます。ここでしっかり折り目をつけてください。
3.◇の左右下側を折り返して中心線に持って左右に紙を開きます。
4.裏に返し、左右を折ります。
5.4.でつけた折り目を内側に入れます。

6.◇の上半分を内側に折ります。
7.表面に返し、縦半分降ります。
シャツの襟を折るようなつもりで外側に三角形を小さく折ります。
極力左右同じ感じで折ってください。
8.7.の折り目を内側に折り込みます。
9.裏がえし、7.で作ったV字が見えるように余分な紙を内側に折ります。
蝶ネクタイのような形が開かれるのを確認してください。

10.左右の四分な三角形を内側に折り込みます。
幅広のハート型が良ければここまでで出来上がりです。
11.表面に返し、左右を縦に折り、内側に折り目を入れます。
折り方はドンドン手を動かして確認してください!
仕上がりはリトル・ギャラリーをご覧ください。 |