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loveでガイドライン引き練習!

Vol.95 2016年1月

現在(2016年1月)、イタリック体練習中の生徒さんが数名お教室にいらっしゃいます。

カードづくりの基礎をお教えしたい、と思う反面古い生徒さんはガイドラインが濃すぎて、
口頭の注意だけでは中々直らないことが分かってきました。

なので全生徒さん必修で下記の同じことをしてもらい、
ガイドラインの引き方については二度と説明しない意気込みです。
(黄色の紙は実際にレッスンで説明したもの)

関心ある方は練習してみてください。

リトル・ギャラリーも観て下さい!
【ガイドライン引き練習方法】

まずガイドライン引きに使う鉛筆選びについてです。

慣れている方はご自分で使いやすい筆記具で構いません。
2H、H,B,2Bなどの鉛筆やシャープペンシル、あるいは時間が経つと消えるペン。

77.鉛筆に慣れましょうでは”鉛筆”と言っても幅広い表現があるとお話しました。

しか~し、これからガイドライン引きを練習してみようとしている方はHBの鉛筆を使ってください。

HBは持っている人が多いこと、またHBの前後の硬さの鉛筆は筆圧のコントロールが出来ないと
硬い芯は不必要に紙を傷つけ、濃い芯は粉が線を引いてる間に出やすくなります。
HBは商品別の品質の違いが目立ちません。
(と言っても三菱鉛筆のuni,hi-uniがお勧めです)

硬すぎず、濃すぎずがHBです。
お手持ちの鉛筆削りかナイフで先をビンビンに尖らせてください。

さらにティッシュか柔らかい布で鉛筆の先を拭ってください。
芯や木軸の粉を取ります。

このビンビンに尖らす、が可能なのが鉛筆です。


ガイドラインを引きたい位置を紙の片側にちょんちょんと鉛筆で点を打ったらいよいよ
ガイドライン引きです。

横置きの紙を縦にし、下側に長めの定規を置きます。
直角になるように三角定規をしっかり当てます。

そして最大のポイントは鉛筆の持ち方です。
鉛筆の長さに関係なく、必ず上のほうを親指と人差し指で持ってください。

こうすると否が応でも指先に力が入りません。


下から上に向かって三角定規の淵に沿ってふわっと線を引いてください。
三角定規は左手でしっかり押さえてください。

大きな三角定規がない方は紙の反対側にも鉛筆で点を打ってください。
ただ少しでも動作を減らしてガイドライン引きに集中するには上記がお勧めです。


ガイドライン引き終わりました。
写真で薄い線を肉眼に近づけてお見せするのは難しいのですが、
写真の通り見えるか見えないかくらいが理想です。

このくらいの線の薄さは真っ白い紙からイエロー、オレンジ、黄緑、薄茶など
少し色がついた紙では使ってほしいです。

この時点でうまく引けない方はノートの罫線や方眼紙などのラインを定規で当てて
上記の鉛筆の持ち方で線を引く練習をしてください。

このようなすでに印刷してある線を定規でなぞるだけでも
ずれてしまう方を良くみかけます。

ここではXハイトの測り方は基本中の基本なので省きますが、
これも苦手な方が多いです。

何故いやいやでも書体練習するのか、それはベストの文字の高さで
キレイに書きたいからです。
無地の紙の上でも同じことです。



上の説明で引いた2本のガイドラインにイタリック体で”love”と書きました。
この文字に絡める2つのハートのガイドラインを書いています。

見えるでしょうか?ガイドライン引きと同じ鉛筆の持ち方で
ゆっくりそっと書いて下さい。



ガイドラインに沿ってペンでハート2つを書き加えましょう。

このような模様、ローマ大文字体・ヴァーサルなどは鉛筆でアウトラインを書いておくと
キレイに書けるようになるのですがこれまたそうお話しても中々やってもらえないことです。

慣れないとやはりアウトラインの位置と実際のペンの位置がずれてしまいます。
でもこれは繰り返すことで慣れていきます。



折角なので同じデザインの”love”を4つ書き、基本的なミニカードづくりに展開しました。
詳細はリトル・ギャラリーへ!

【鉛筆の使い方応用】

上記は先に説明した鉛筆の持ち方と同じにしてガイドラインを引いています。


ガイドラインを消さずに大きなハートを鉛筆で描き、濃淡をつけていきます。
写真は鉛筆の持ち方=力の入れ具合を変えずに縦方向、横方向に枠を塗りつぶした状態です。


何をしたいかというと徹底的に鉛筆の先に力を入れない訓練をしたいからです。
くどいですが、持ち方を変えず縦方向、横方向、あるいは左上から右上からと塗り潰す方向を
少しずつ変えて濃くしたいところを濃くしていきます。


出来上がり状態です。
仕上げの最後のほうでアウトラインの淵を少し力を入れた状態でなぞると
メリハリを出したいところがしっかり表現出来ます。

リラックスしてガイドラインが引けるようになったでしょうか?
出来なくても大丈夫、練習あるのみ!