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ホワイトの練習

Vol.103 2017年1月
2017ヴァレンタインカード&白で書く
今まで沢山白で書いた作品を作ってきたし、教室では何度となくこうしたらよいですよ、
とコツをお話してきました。

しかしいざとなるとつい焦って書こうとして思い通りにいかないことが多い感じ。

下記の使い方から慣れていって少しずつご自分にとっての白での書き方を
模索して欲しいですm(__)m

リトル・ギャラリーもどうぞ(^_^)
【不透明水彩の白】
ホワイトの使い方1

身近な水彩絵具の白を使って練習です。

白は透明絵具のセットに入っていても不透明です。
白なので透けるわけではないです。

ですので持っている水彩絵具の白で下の説明をお試しください。

これから購入する場合、画材やさんに行くと色んな種類の白があって迷うと思います。

ただカリグラフィーペンは形状によってペン先から薄く絵具が出る状態なので
まずは1本水彩絵具の白を購入してみてください。

心配な方は画材メーカーのサイトや店頭にあるメーカーカタログで
特性を確認することをお勧めします。

チタニウムホワイト、チャイニーズホワイト、プライマリーホワイト、
パーマネントホワイトトなどが堅牢でお勧めです。

シルバーホワイトは鉛化合物が含まれ、ジンクホワイトは亀裂が入りやすいと言われます。
(参考ホルベイン油絵具用ですがホワイトノート

ホワイトの使い方2

今回はオペイクホワイトを使いました(^_^)
Opaqueは不透明、日本画材の胡粉から来ています。

84.カラーチャートを作ると絵具の溶き方は基本一緒です。

ただ少しだけ多めに溶きたいのでチョンチョンと4、5回チューブの口をパレットに充ててください。

写真で見えやすいようにお菓子箱に敷かれていたプラスチックのトレーを使っています。

※チューブから水分が出てきてら、顔料を練った状態に保つための
 アラビアゴム(アラビックガム)です。ぬぐって絵具と水だけで混ぜてください。


ホワイトの使い方3
絵具が出した回数分、スポイトから1滴ずつたらします。
ゆっくり、同じくらいの滴が落ちるように。

ホワイトの使い方4
混ぜます。 汚れていない筆を必ず使ってください。
サラッとした液体ができます。
ここで薄いな、あるいは濃いなと思ってもまずは先に進めて下さい。

ホワイトの使い方5
ペン先に溶いた絵具を挿します。
ペン先の両脇。それと先をサッとなぞるくらいで
入れ過ぎないようにしてみてください。


ホワイトの使い方6
試し書きです。

ガイドラインは引かなくても良いのでご自分が書きたい書体の”i”を書いてみてください

色が濃く、肌理が粗くない紙を使います。
NTラシャやタント紙がお勧めです。

ホワイトの使い方7

絵具の濃さを変えて3種類書いてみました。

左側は薄すぎ(溶く水が多かった)
中央は丁度良いかなーという感触
右側は細い線が少し太くなった。

インクや透明水彩より粒子が多いので滲みにくいですが
その代わりキレイナ細い線が出にくいです。

真ん中くらいの状態で書けなければ
ペン先はキレイに洗って水分をふき取り、
絵具はチューブをチョンとつける、あるいはスポイトから1滴たらす、
そして試し書きを繰り返して微調整します。

白はペン先の中で固まりやすいので今回のように書き心地の良い
ベストな状態を探るときはペン先をまめに洗うのがとても大切です。

ホワイトの使い方8
本番用の紙のガイドライン引きです。

この程度の濃さだったら95.loveでガイドライン引き練習!
全く同じ引き方にします。

上の写真は右端が紙より少し濃いめに線が見えて
左側は鉛筆の鉛で少し光ります。

写真は見辛いですが肉眼ではもう少しハッキリ見えます。

このような状況が見辛い方は幾分か力をかけて線を引いてください。
あくまで幾分か、です。

私はHBの鉛筆をすすめていますがこの時シャーペンやHBより固い芯を使うと
紙にガイドラインの凹みがはっきり残る可能性があるからです。

ホワイトの使い方9
"Eternity"と書いてみました。
文字数が少なすぎず、イタリック体を初めて日が浅い方でもトライしやすく
白で書く練習に丁度良いです(ヴァレンタインの見本でもあるし)

上記の試し書きでいい塩梅の白になったら
大体2,3文字ずつ少しだけ白を足して書いてください。
Et,ern,it,yです。

大文字や長い小文字は絵具を足すタイミングに注意してください。

この練習ですが、いかに真っ白く書くか、よりちゃんと細い線が書けるか、
という点に重点は置いています。


ホワイトの使い方10
どうせならもう少し真っ白く書きたい、という場合はポスターカラーを使ってください。

より不透明だからです。

ペン先はさらに詰まりやすくなるので
いきなりポスターカラーを使うのはあまりお勧めしないです。

写真左から
チャコペン(下で説明します)
ポスターカラー 白
作品(板チョコ入れ(#^.^#))
スピードボールC-2(練習で慣れたサイズがお勧め)
白のペイントマーカー(クレタケPAiNTY FX。わざと掠れた状態で枠を書きました)


白の画材は今回取り上げた水彩絵具、ポスターカラー以外にありますが、
まずは身近なところから試してみてください。

また、自分でアラビアゴム(画材として瓶で売ってます)を加えて
粘り気を加えることもありますが
水だけでどんな感じになるか体で良く覚えてから
検討してみてください。

とにかく白に対する苦手意識をなくして欲しいです。

ホワイトの使い方11

黒い紙に引くガイドラインはやはり基本は鉛筆です。
でもどうやったって見辛い方も多いと思います。

その場合は黒い布地用のチャコエースホワイトAがお勧め。
時間が経つと少しずつ消えてきます。

この写真と上の写真をくらべると消えっぷりが分かります。

上の写真は5日後くらいの状態ですがラインの書き出し部分や
少し多め液体が出た部分は消えずに残っています。

商品の説明では布地だったら1~4日くらいで消えるそうなので
紙の場合は大事な作品で使う際は残りそうな部分は
仕上げで切り落とすなど工夫が必要そうです。

この白以外でも消えるタイプのチャコペンは
どういう場合は使えるか今後も検証が必要ですが、
だったら鉛筆でいいや、と正直思っています(^_^)

カリグラフィーは布に書くこともあるので
その時はきっと便利だなーと思っています。
(が、やはり予め消え方を試す必要はあります)


消しゴムは柔らかめのタイプでそっとたたくように使ってくださいm(__)m