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ゴシック体で大きめ作品!

Vol.23 2003年6月


イタリック体、アンシャル体 &ハーフアンシャル体
に引き続き、ゴシック体を使って
作品作りにチャレンジです。

今回は父の日がテーマですが
全体のつくりを今までと同じにしています。

過去ご紹介したテクニックも使っています。

今回は共通のレイアウトに慣れ、
詩の部分を左詰しているので2回のみの試し書きを行いました。
【1回目 方眼紙に試し書き】

今回は最初から文字は黒一色で、
詩の部分を左詰と決めていたのでこんな感じからスタートです。
今まで同様、上部のセンタリングはキチンと測り直します。

ゴシック体では紙の節約のために無駄な改行はしません。
もちろん、作風によっては好きに改行して良いのですが
ここではオーソドックスなスタイルにしています。

頭文字を大きめにかつ装飾を施し、改行幅に合わない単語は次の行に移って
空きスペースに模様を入れるか、途中まで書いて”−”で次行へ促すかです。

”−”を使ってばかりだと鬱陶しいし、模様だらけでもバランスが悪くなります。
試し書きは大切です。


【2回目 方眼紙に模様試し書き】

第1段階で右側の模様は決まったのですが、左側で悩みました。
右側と全く同じにするか、鏡あわせに向きを替えるか。

後者に決めて試し書きです。
向きが変わればペンを動かす方向も変わります。
特に右側の2重線の”S”は普通に書けば良いのですが、
左側は横に倒さないとシンメトリーに書けません。

絡まっている蔓草模様は紙の向きを変えなくてもシンメトリーに書けました。

【本番】
段取りがあるので説明します。

【文字を先に書く】

文字を先に書き終えました。
アートカラーのカリグラフィーインク黒です。

【マスキングリキッドを使う】

2重線の”S"に使いました。
2重線はオートマチックペンの9を使っています。
マスキングリキッドはウインザー&ニュートン社の薄く色がつくタイプを使用。

初心者の方は、下記のページを観てから試してください。
バースデイカードをつくる パート2(特殊なカリグラフィーペン)
マスキング・リキッドの使い方
マスキングフィルムとリキッドを使う

【マスキング・テープを使う】

色を塗りたくない内側にマスキング・テープを貼り、
透明水彩で両脇に色づけしています。
絵の具は薄く塗ったのでマスキングリキッドの部分は
弾いて浮き出て見えています。

絵の具が乾いたら、このリキッドとテープをを剥します。

マスキングテープについては下記を観てください。

マスキングテープを使う

【パウダーで目止めする】

色づけした紙の上にさらに書き加える場合、滲んでしまう事があります。

今回はホルベインのマクソン(コミックグッズで有名)から
出ているデザインパウダーで目止めします。
粉を振りかけたら容器の底についているスポンジでのばし、
余分な粉は落とします。

画材・デザイン・漫画用品のお店で扱っています。

他に絵具・ポスターカラー用の定着スプレーを使う手もあります。
ただスプレーはかけすぎるとペンが上滑りしてしまいます。

紙や絵具の塗り具合によっては目止めの必要がないことも
多いので、よく分からない時は必ずテストしてみて下さい。

今回はこの後蔓草模様を書き加えました。
上記写真及びリトル・ギャラリー参照。

【簡単ギルディングで頭文字装飾】

頭文字は両脇と同じ色付けをしてから”T"の部分に
ギルディングを施しています。


方法の詳細は下記のページを。

もっと簡単ギルディング