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マスキングインク・ペンタイプを使う2

Vol.99 2016年7月
マスキングインク応用編

前回取り上げたマスキングインクの続きです(^_^)

ササッとポイントだけ説明しているのでリトル・ギャラリーを合わせてご覧ください!
【サマー 金魚カード】
マスキングインク応用編 金魚1
前回ご紹介のホルベイン、マスキングインクで”SUMMER”と書いています。
インクが乾く前は木工ボンドのような白なのでハッキリ見えなくてスミマセン!

ネイルアートで使うダイソーの筆(84.カラーチャートを作る参照)を使っています。

マスキングインク応用編 金魚2
マスキングインクが乾いたらダーッとブルーを塗り、乾いたら水彩色鉛筆で金魚を書いています。
ちゃんと水で濡らしながら描いたので乾いた状態よりしっかり色が付きます。

なんとなく見える水文のドットはサクラクレパスのデコレーゼ(商品の撮影忘れてスミマセン)、
ホルベインのイリデッセントメディウムを歯ブラシに少しつけてトントン紙を叩き、
本の少し艶を出しています(写真に写らずスミマセン)。

このメディウムはまた後で使います(^_^)

紙は特厚水彩氏のハガキですが、これがとても紙の吸い込みが良く、
また梅雨の雨続きの中作成したのでマスキングインクが張り付き過ぎちゃいました。
結果、ぽわぽわに剥がれたのですが水の中のイメージはあったのでこのまま採用。

【サマーカード 塩使う】
マスキングインク応用編 塩
金魚と同じ書き方で”SUMMER”をマスキングインクを使って書き、乾かします。

淡いブルーの水っぽく溶いた絵具を大きな筆でフワッと塗り、すぐに塩を撒きます。

ジュワッと塩が水分を吸い取り、そのまま乾かすと不思議な模様な点々が残ります。
紙・絵具の濃さ・塩の粒の大きさでどんな模様が出るかはお楽しみ(^_^)

以前から水彩画法の1つとしてある楽しい技法です。
仕上げはリトル・ギャラリーでご確認下さい!

【Enjoy Summer】
マスキングインク応用編 Enjoy Summer1
マスキングインクを通常のインク代わりにペン先に挿入。
スピードボールC-2でごく普通に(大文字は多少アレンジ)イタリック体書きました。
紙はキュリオスメタルという金属っぽい光沢のある紙です。この色を活かします。

マスキングインク応用編 Enjoy Summer2
背景として白の絵の具を塗ります。
前述のイリデッセントメディウムを白の水彩絵具に混ぜ、カット綿で叩くように色をつけます。
カット面が水分を吸い、叩かれて繊維がほつれてくるのでその跡が紙につきます。
筆やスポンジでは表現できない雰囲気が出ます。

すでに乾いているマスキングインクの上は自然と弾かれます。

イリデッセントメディウムですが、マットに乾く水彩作品に艶を出す際効果的です。

マスキングインク応用編 Enjoy Summer3
仕上げにファーバーカステル・ジェラートを使って花と枠を塗っています。
アクリルクレヨンなので、水で少しなぞってあげると紙面の定着がしっかりし、
手に色がつきにくくなります。

質感は柔らかいクレヨンですので、つまようじなどで引っかいて遊べます。

マスキングインクを剥がした後はリトル・ギャラリーへ(^_^)


【サマーカード レイヤーを考える】
マスキングインク応用編 Summer Afternoon1
文字や模様を塗り重ねていくアイディアです。
作り始める前に順番は決めておかなくてはいけないので
レイヤー(層)を考えるのに不慣れな方は参考にして下さい。

まずタイトルを書きました。
C-2で耐水性のインクを使って書いています。

マスキングインク応用編 Summer Afternoon2

福岡工業ミツワのマスキングインクも今回使ってみました。
写真の商品は針金のようなノズルつきです。
細い線も直接書ける、という売りがあります。

が、上記のような筆記体を書く際、一定量出しながら書きたいところ、
ボトルに泡が残りやすいので(上の写真に写ってます)、
でもボトルを数回振ったほうが良いようだし、
時々この泡がブシュッと液体と一緒に多く出てしまいます。

デリケートな作品づくりはちゃんと細筆を使ったほうが良さそうです。

ブルーの色がついているので白紙の上ではとても見やすいです。
乾くともう少し濃くなります。

ホルベインのマスキングインクより少し固く固まります。
ですのでミツワから出ている剥がし用のラバーがあったほうがいいです。

ホルベインは指で剥がしやすいです。

ただ、湿度や紙の種類で剥がしやすさは全く違うなーと
この2種類を使って実感しました。

キレイに剥がしたい場合は必ずテストしてください。
あまり湿度が高くない時をお勧めします。

マスキングインク応用編 Summer Afternoon3

マスキングインクが乾いたらパンチングアルミプレートの切れ端をテンプレート代わりに紙に置き、
筆で穴の中を色付け。
チャッチャッときっちり過ぎずかつ規則正しく塗れます。

マスキングインク応用編 Summer Afternoon4
今度は自分で紙をくり抜いて花びらのテンプレート。
ドットの回りをどんどん塗っていきます。

マスキングインク応用編 Summer Afternoon5
ヒマワリが出来たら
花の淵に影をつけます。

今度は洗顔用ネットを紙に押し付け、上から筆で撫でて彩色。
網目模様が残ります。

この作品は使えそうな道具はどんどん使ってみて下さい、という見本です。
マスキングインク応用編 Summer Afternoon6
残りの部分背景色を塗ります。

マスキングインク応用編 Summer Afternoon7
マスキングテープを升目状に貼り、さらに背景色を塗ります。

乾いたらマスキングテープ、マスキングインクの順番で剥がしました。
仕上がりはリトル・ギャラリーをどうぞ(^_^)

【クッションカバー】
マスキングインク応用編 cusion cover1
布にもマスキングインクは使えます。

クッションカバーはDAISOで買いました。
マスキングテープをしっかり貼って枠が決まったら
下地材としてジェッソを塗りました。

布に直接マスキングインクをつけてみたのですが
剥がせませんでした。下地をつくってインクの吸い込みを防ぐ必要があります。

マスキングインク応用編 cusion cover2

マスキングインクのペンタイプは口が細いので、直接字を書きました。

マスキングインク応用編 cusion cover3
マスキングインクが乾いたらアクリル絵の具&グロスポリマーメディウムで上を塗りたくります。

メディウムを混ぜたのは絵具の付きを良くするためです。
後日洗うかもしれないので。
でも手洗いが宜しいかと思います。
(まだ試してません)

頻繁に洗う布に作品を書く方は布用の絵の具をお勧めします。
メディウムが必要ありません。

マスキングインク応用編 cusion cover4
乾いたらマスキングインクを剥がしました。
というか剥がしてもらいました、生徒さんに。
アクリル絵の具のせいで剥がすのになかなかパワーが必要なのですが
生徒さんが丁寧にレッスン時間中ずっとやってくださいました。
私は疲れてくじけた作業です。

リトル・ギャラリーも観てください!